2005年03月26日

春からの受験計画

春からどんな風に勉強を進めていくべきか


春からの勉強法

導入ですから、大まかに説明することにします。さらに注意点として、このブログは、中学受験から大学受験までとかなり幅広いケースを扱っているので、説明の仕方も包括的にならざるを得ない部分があります。従って、もっとこの部分を突っ込んで説明しろ、という場合はコメントを残していってくださると、大変うれしいです。

さて、この春からの勉強法でありますが、一言で言うと理解重視の勉強をしろということに尽きます。別の言い方でいうと、無理やり詰め込み式の暗記は止めておけということになります。別に私としては、きれいごと(?)を言っているわけではなくて、最終的には受験は暗記勝負という部分があることは認めているのです。しかし、春からーつまり受験の本番は一年も先の話なのにーせっせと暗記ものをやるのは絶対に得策ではないのです。分かるでしょうか?

まったく余計なお世話なのですが、大学受験の勉強に取り組んでおられる方のブログをいくつか読む機会があって、それを見ていて思ったのですが、いきなり今の時期から英単語などをやっていたりする。これはナンセンスだと思うんです。まぁ、そういう風に勉強を進めたからって、絶対に志望校に受からないわけではないので、本当に余計なお世話なのでしょうけど…。

しかしですね、私だったら、今から単語帳とにらめっこして精一杯1000個の英単語を覚えたとしても、5月か6月頃には、きっと半分以上の単語を忘れてしまうと思います。特に記憶力にも自信はないですからね。皆さんの場合はどうなんでしょう。例えば、こんな返答が返ってくるかもしれないと予想します。「だから僕たちは忘れないために、繰り返し繰り返し単語を覚えなおすんです」と。もちろん、繰り返し暗記しなおすことでいつか定着するだろうことは私にも分かります。でも、いわゆる暗記もの(つまり単語帳などを使った勉強)は、絶対にどこか無理を伴う勉強法なんですよ。まずそのことを少しお話することにしましょう。

人間は意味を追いかける生き物である

今から言う理屈は英単語の暗記ものばかりではなく、いわゆる暗記もの一般に当てはまることです。先ほど言ったように、暗記ものは人間には無理が大きすぎます。これはどういうことか。要するに、単語帳などを使って次々と暗記をしていきますね。例えば単語帳の左側のページに英単語が書いてあって、右側にその日本語の意味が書いてある。つまり、

A=B
C=D
E=F

こんな風に、「A」という単語が「B」という意味らしい、だからこれをそのまま頭にインプットしておこう…。これが暗記ものですよね。結局、「A=B」という図式を機械的に頭に放り込んでいるに過ぎない。例えば、「794年」=「平安京」や、「アリストファネス」=「雲」と機械的に覚えた時に、両者のつながりに必然性というものは全くないでしょう?これは、トランプの「神経衰弱」のようなものですよ。「神経衰弱」をやっていると、数枚めくった後には、どこに何のカードがあったかさっぱり分からなくなる場合があるでしょう?あれと同じ。つまり、「右から11番目、上から3番目のカード」=「ハートのキング」と無理やり頭に詰め込んだとしても、この両者のつながりは、「必然性」というか、つながっている「意味」は見出せないでしょう?要するに、両者の間に有効な意味づけできないから忘れてしまうのです。

なんとなく言っている意味が分かってもらえるでしょうか?

ちょっと例を挙げてみましょうか。例えば、友達にあだ名をつけるときのことを考えてもらえれば良いです。そうですね、例えば「A君」には「パチンコ」というあだ名がついているとでもしましょう(くだらないたとえだけど…)。この時、あだ名の由来が分からなければ何故「A君」が「パチンコ」などと呼ばれているのかは理解できない。でもA君と同じクラスの皆は、A君の坊主頭と非常に滑らかな良い形の頭を見てパチンコの玉を連想したのです。だから、「A君」を「パチンコ」などと、からかって呼んでみたのです。要するに、このようなあだ名の由来が分かっていれば、何も無理をして「A君」=「パチンコ」などと機械的に暗記をしてしまうこともないのです(笑)。

なんとなく分かってもらえましたよね?これが意味づけというものです。

「A」=「B」という図式を無理矢理あたまに詰め込む勉強をやっていると、このような意味づけができなくなります。つまり、こうやって覚えた知識は絶対にいつかは忘れてしまいます。人間は、生きている限り、意味を次から次へと追いかけていきます(だからこそ、人間は言葉を身に付けることができたわけです)。要は、人間にとっては、意味づけできるかどうかが、暗記できるかどうかの大切な鍵になっているわけです。それを、ハードディスクにカリカリ情報を刻み込むかのように暗記ができると思うのは大きな間違いです。人間の脳は、少なくともその部分ではコンピュータとは違うのですから。

理解重視の勉強が膨大な暗記量をもたらす

長いこと話してきましたけど、要するに「理解」と「暗記」を切り離してしまうからいけないんです。理屈を「理解」すれば絶対に「暗記」できるし、いつまでも「暗記」できているということは理屈を「理解」できているんですよ。何度も言いますが、単語帳を使った勉強法は、「理解」することなしに「暗記」ができる、ということを前提にしてしまっています。結局のところ、こうして無理やり覚えた知識は長くは続きません。だからこそ、暗記ものは直前期に集中してやれば良いのです。心配しなくても、理解重視の勉強をしていれば、自分に必要な情報は自然と頭にインプットされるようになりますよ。そうやって残った自分に馴染みのないものを、直前期に覚えれば良い、ということになります。

こういうやり方を取れば、後々になればなるほど、あなたが暗記できる容量が飛躍的に伸びていきます。今の前半期は、あなたの持っている知識にどんどん数多くの枝を張り巡らせていると思ってもらえればOKです。あなたが概念を理解していれば、枝の数は驚くほど多くなります。それが後半の直前期に効いてくるのです。つまり、そうした下地があなたの暗記に拍車をかけるのです。

一方、ずっと暗記暗記でやってきた人は、結局いつまでたってもそうした下地が出来上がりません。ですから、ラストスパートのところで、いまいち伸びてきません。ですから、短期的には暗記ものを必死にやっている受験生の方が成績も伸びて有利に思えるかもしれないけど、実際にはそうではないのだ、むしろ長期的には不利なのだ、ということになります。あくまでも私の考えと、今まで感じてきた実感では、ということですけどね…。

で、結局具体的に理解型の勉強ってどうすれば良いの、というのはこのエントリーではあまり分かりませんよね?それに関しては、これからのエントリーでまたぼちぼちと説明していくことにしましょう。最後まで読んで頂いたことに感謝します。



coconutscookie at 23:43│Comments(0)TrackBack(1)clip!

トラックバックURL

この記事へのトラックバック

1. 公開!青山の受験計画表(数学)  [ 受験日報・復刻版+α 〜東大生活編〜 ]   2005年04月17日 10:22
私、青山が大学受験に向けて作った3年間の数学の受験計画を公開します。 ご参考になれば幸いです。

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔